※相談事例は全てご相談者さまの了承を得て記事化しております。
ストマ装着のお母さまの認知症が進行し介護限界
当社のフリーダイヤルに入ったご相談事例となります。
2年前に大腸がんが発覚しストーマ(以後ストマ)を装着したお母さまと同居している長女さまからのご入居相談を頂きました。
※ストマとは人口的に作った便、尿の排泄口で一般的には人工肛門と呼ばれています。
ストマを造設した当初お母さまは認知症を発症しておらず、ご自身で便の廃棄やストマの交換を行っていました。
ところが1年半ほど前、認知症を発症し徐々に状況が変わってきました。
認知症の進行と共に、短期記憶の低下、昼夜逆転、徘徊が始まりました。
それでも排泄についてはご自身で行うことが出来ていたのですが最近になり、お母さまがご自身でストマ交換を行うことが出来なくなってきたのです。
また徘徊が顕著になっており、夜中徘徊した際、ご自分のお部屋や廊下などに取り外したストマが転がっており、お母さまの手が汚れていることが多くなってきました。
長女さまはお母さまのストマに便がたまっていないかを確認するなど排泄介助をはじめましたが、夜中の徘徊で外に出ようとしたり、仕事から戻ってくると家の廊下に捨ててあるストマによる便臭に疲れていました。
認知症発症後は週3回の訪問介護サービスを使いなんとかやりくりをしていましたが、お母さまの認知症が進行し、長女さまを認識できない時が出てくるようになったこと、家に便臭が漂うになってしまったことによるストレスから、介護限界を迎え老人ホームへの入居を検討されました。
お母さまのADL
最新の要介護認定でお母さまは要介護2となっていました。
【お母さま:84歳】
食事:普通食(通常食)
歩行:自立※
排泄:要介助
更衣:一部介助
義歯:ナシ
認知症:アリ
介護度:要介護2
誤嚥などは無く、食事は通常食を介助なく召し上がることが出来ました。
歩行については基本、自立ですが不安定な時もでてきたため家の手すりを増設しました。
排泄については長女さま、訪問介護士がストマにたまった便の排泄を行っています。
ただ、見守りできない時にお母さまがストマパッチを外してしまうことが何度かあります。
更衣については上半身の着替えは自立ですが、下半身の着替えが難しくなってきています。
長女さまがパジャマへの着替えを手伝っても夜中に着替え直して玄関から外に出ようとする徘徊行為も目立ってきていました。
認知症の進行に伴い、24時間気が抜けないことから長女さまが介護限界を迎えていました。
新横浜の近くで老人ホームを探す
お母さまのADLと長女さまのケア状況を伺い老人ホーム入居に関する必須条件と充分条件を確認しました。
◆必須条件
・一時入居金:300万円
・月額利用料:25万円以内
・看取り対応
・新横浜のご自宅から1時間以内
◆充分条件
・24時間看護師常駐
当初、長女さまはストマの交換を医療行為と考えられており24時間看護師が常駐している老人ホームを希望されていました。
実は、2011年に厚生労働省の指示によりストマの交換は原則として医療行為ではないため介護士が交換しても良い、とストマ装具の交換についての指標を発表しています。
このことをお伝えし24時間看護師常駐については充分条件となりました。
お母さまは認知症が進行しており、徘徊が頻回していることから見守りが必須であると考えました。
今後を考えると介護付き有料老人ホームが適切であると判断しました。
尚、長女さまは特養については検討していないということでしたので、今回につきましては介護付き有料老人ホームでの施設探しとなります。
探す上でのポイントとして、24時間看護師常駐の老人ホームをリストに入れられるかでした。
一般的に24時間看護師常駐の老人ホームは医療ケアが必須な方が入居しており満床率が高いため空きがないこともあります。
またナースが常駐しているため費用が高めになります。
港北区、都筑区を中心に調べてみましたが予算ギリギリか少しオーバーしていました。
24時間ナース常駐でなければ予算内にまとまる施設はたくさんありました。
そこでリストをご提案する前に長女さまにお伺いをしました。
長女さまは多少のオーバー(一時入居金で100万円ほど)であればなんとかやりくりするが、月額利用費は当初の予算に収まるようにして欲しいという新しい指標をくださいました。
これには訳があります。
一時入居金については長女さまと次女さまで不足分を補うことが出来ましたが、月額利用費についてはお母さまの年金と貯金で賄うことがご家族さまの間で取り決めされていました。
従って、月額利用費についてはオーバーできなかったのです。
当初、長女さまは費用の中にはおむつ、パッドなどの費用を検討されずに予算計算をされていたので入居相談時にこれらの費用についてご説明し、予算の再構成を行っています。
※予算の計算については過去の記事「【代沢】ニオイにより同居が難しいと判断、老人ホーム探しのご相談」にてご確認いただければ幸いです。
新しくいただいた予算条件からリストを再作成しました。
24時間看護師常駐か日勤帯のみ常駐か
ご提案したリストの各施設についてご説明を終えた後、長女さまから3施設の見学希望を頂くことが出来ました。
A施設:24時間看護師常駐
B施設:日勤帯のみ常駐
C施設:日勤帯のみ常駐
各施設をまわった後、感想を伺うお時間を頂きました。
今回、ご家族さまより評価詳細を公開しないことで記事化をご了承いただきましたので感想は以下とします。
長女さまの感想
A施設:24時間看護師常駐
設備等:〇〇〇
接遇:〇〇
費用:〇
B施設:日勤帯のみ常駐
設備等:〇〇〇
接遇:〇〇〇
費用:〇〇
C施設:日勤帯のみ常駐
設備等:〇〇
接遇:〇〇
費用:〇〇〇
即答は難しいと思われましたのでじっくりをご検討いただき、ご納得いただけなければリストにある他の施設に関しても見学依頼を賜ります、として当日は解散いたしました。
入居相談員としてお母さまのADLから24時間看護常駐についてはご家族さまの安心という点では良いですが、そこまでの必要性はないかもしれません、とお伝えしております。
長女さまとしては24時間看護師が常駐している老人ホームへのご入居を重視していましたが、予算的にはオーバーしていました。
長女さまが決定した港北区の老人ホームとは
1週間ほどして長女さまに様子伺いのお電話をしました。
長女さまは他の紹介会社にも見学依頼を出しているということで結論までもう少し時間が欲しいと仰いましたので、もう1週間ほどしてから改めてご連絡するとお伝えしました。
さらに1週間ほどしてからご連絡をすると、当社でご紹介したB施設に入居希望を頂くことが出来ました。
ストマであることはすでに施設長に連絡をして受け入れ許諾を頂いておりましたので空き部屋の確認が完了すると、契約締結に関するご入居サポート業務に取り掛かりました。
ちなみに長女さまがB施設に決定した一番の理由は、介護士がストマ交換できることを知り、費用を考え24時間看護師常駐は必要ナシと判断されたことでした。
その上で施設の設備、介護職員の印象などを考慮した結果、B施設に決定されていました。
入居日が確定し、長女さま、次女さまが施設に来られました。
入居相談員も施設までお伺いしお母さまにご挨拶申し上げました。
1か月後のご様子
お母さまがご入居してから1か月ほどしたころ長女さまにご様子伺いのお電話をいたしました。
お母さまに大きな帰宅願望は無かったのですが、夜間に徘徊が頻回していることが報告されました。
また、見守り以外の時にご自身でストマを外してしまい手が便まみれになってしまうなども報告されました。
施設側から対応方法として定期的にお母さまの下着を確認することが報告されていました。
また、看護師が介護職員に対してストマパッチが外れてしまっている際のストマ交換について研修を行ったことも報告されました。
それ以外については事故報告もなく、お母さまも日中お話をするご入居者さまができたこと、ご機嫌が良い時は長年楽しまれてきた長唄を披露されるなどリラックスしてお過ごしいただけていることが分かりましたので今回の件をクローズとしました。
ストマ装着や在宅酸素利用でも入居可能な老人ホーム探し
当社ではストマ装着や在宅酸素を利用されているご家族さまに関するご入居相談についても数多くのケースを手掛けております。
ランキングサイトの表にある在宅酸素【〇】、ストマ【〇】などだけでは施設の内情は分かりません。
ストマ【〇】であったとしても、ストマをご自身で取ってしまう行為(自己抜去)がある場合、たいていの施設では入居を拒否されてしまいます。
ストマパッチは強力な接着剤を使っており、はがすときにはリムーバーを使います。
それをご自身ではがしてしまえば皮膚剥離してしまうリスクがあります。
さらに、ご自身ではがしてしまうことで医療行為が必要になることもあります。
多くの施設では手間がかかってしまうため、入居前に自己抜去癖があると入居NGになります。
当社で提案する際にはそのような表面上だけでは分からない施設の評判などについても調査をしながらご提案リストを作成しております。
尚、ご入居相談につきましてはいかなる場合においても費用が発生することはございません。
以下より無料相談フォーム、LINE公式による個別相談が可能です。
お気軽にご相談いただければ幸いです。
Comments