
※相談事例は全てご相談者さまの了承を得て記事化しております。
パーキンソン病の進行と誤嚥性肺炎から老人ホーム探し
両親と3人暮らしの60代女性からのご相談です。
お母さまは軽い認知症状が見られるようになってきたものの普段の生活に支障はありませんが、お父さまはパーキンソン病がだいぶ進行してきており転倒を繰り返すようになっていました。
そんなある日、誤嚥性肺炎で入院し嚥下機能の低下が著しく、24時間体制での痰吸引が必要になってしまいました。
吸引の方法を看護師から指導され、長女さんは吸引処置が出来るようになりましたが80代のお母さまには難しく、病院からも在宅介護は難しいかもしれないと言われ、施設入居を検討されていました。
パーキンソン病とは 身体的を動かしにくくなったり、震えたりするなどの症状がでる病気です。 脳内にあるドパミン物質が減ることで発症すると言われていますがドパミンが減少する原因は特定されていません。
誤嚥性肺炎とは 食べ物や唾液が気道に入ることがきっかけで口の中の細菌が肺に入ってしまうことが原因で発症する肺炎です。食事時に起こりやすいですがまれに睡眠時に唾液が流れ込み発症することもあります。
家族の希望する千葉県内の老人ホームのご入居条件
相談でヒアリングをしていると、
ご家族さま「お父さまを老人ホームに入れるのであれば〇〇は絶対に必要です」
と、施設への入居を検討される際に、色々なご要望がでるのが一般的です。
料金、場所、どんなサービスをしてくれるか、どんな雰囲気か、どんな人が介護をしてくれるか等々そのご要望は様々です。
現状、全てのご要望を満たしてくれる施設というのはありません。
何を優先させるか、何をどこまで妥協できるか、取捨選択が施設を決定するためには大切です。
今回、絶対に譲れないのは24時間痰吸引か可能な施設であることでした。
夜間看護師が配置されていれば、それなりに予算は上がりますが絶対条件ですから施設選択ではこの点を最重要視することになります。
次にご家族さまの要望としては、移動するための車がないため、とにかく自宅から近いところでした。
たくさんのご要望がありましたのでお時間をかけながら、何が本当に必要なのか?なくても大丈夫なご要望はないか?を繰り返しながら最終的に上記2つの条件で探すことになりました。
ほどなくして千葉県内でご家族さまの条件に合致する24時間看護師が配置されている介護付き有料老人ホームと、特定疾患を受け入れているホスピスタイプの老人ホームが1軒ずつ見つかりました。
そこで日程を調整し、両施設に見学希望者紹介確認書を送り見学に行きました。
幸いにも両施設ともご家族さまのご自宅から徒歩で行くことが出来ます。
介護付き有料老人ホームの方がより自宅に近く、雰囲気も明るく、働く介護スタッフも笑顔で対応してくれて印象が良かったのですが、予算は想定の上限ギリギリでした。
一方のホスピスタイプはギリギリの徒歩圏で、病院と変わらない雰囲気ですが、予算は介護付き有料の半分です。
これまでの経験上、予算ギリギリで決定すると状況の変化などにより入居を継続することが難しくなることがありました。
そのことを考慮しつつ、医療依存度や施設の看護力からホスピスタイプへの入居を提案しましたが、ご家族さまの見解は逆でした。
自宅から近いこと、雰囲気が良いことなど総合的に判断して予算はギリギリですが介護付き有料老人ホームに入居させたいということでした。
本人面談の前に再度見学に行き、施設長、看護リーダー、介護リーダーと現状必要なケアや家族が不安に思うことを話してもらいました。
施設側も受け入れに前向きだったため、入居前に入院先の病院と情報のやりとりをしてもらいカンファレンス後、本人面談にいたりました。
入居手続きも無事に終え、1週間後の入居が決まりました。
誰が介護・看護するかが大事
介護や看護は人が行うサービスです。
担当する人によって技量も違えば、介護される側との相性も違います。
どんなに技量のあるスタッフが対応しても相性があわなければ良い思いはしませんし、どんなに相性が良くても技量が足りなければ満足なケアには至らないこともあります。
必要なケアを適切に行なってくれるスタッフがどれだけいるかが重要ですし、毎日顔を合わせていると、入居者さまとスタッフの間に関係性ができてきます。
入居から1週間、お父さまは再び誤嚥性肺炎で救急搬送されました。
痰吸引が十分に出来ていなかった事が原因と考えられました。
24時間看護師がいるから安心ということではないのです。
看護師にも得て不得手があります。
施設にいる看護師全員が痰吸引が得意という訳ではないのです。
幸い3週間程の入院で退院できる見込みとなりましたが、痰吸引が問題となりました。
老人ホーム側もシフトを変えたり、担当の看護師を変えることは容易ではありません。
今回の入院についてはご家族さまから、事前にあれだけ話し合って準備もしてきたのに、なんでこんなことに?と不信感をあらわにされておりました。
主治医や往診医の意見も訊きながら、施設とご家族様の間で退院後、施設に戻すか戻さないのか話し合いが行われましたが、ご家族さまの不信感を払拭するには至らず、一旦退去させることとなりました。
実は今回の入居が決まる前、念のためホスピスタイプの施設の申し込みもしており、空室待機の状態にしておいたのがここで役に立つとは思いませんでした。
相談員としてできることはすべて実行しておく、というスタンスが間違っていなかったと実感しました。
病院に状況を説明したところ、ホスピスタイプの施設の空きが出て入居準備が出来るまでの間、入院許可をいただけましたので3ヶ月ほど待機した後、ホスピスタイプの老人ホームに入居することができました。
最初からこっちにしておけば良かったと娘さんは後悔されていましたが、提案を聞き入れずに自宅に近い介護付きしか頭になかったと話されていました。
介護付き有料老人ホームを選択した際に出てきた選択ポイントして、建物が綺麗であるか否かというのがありました。
施設の外観が綺麗であることは入居を検討する際の大きな材料になり得ます。
今回のケースでは介護付き有料老人ホームは自宅から徒歩で行けるが、ホスピスタイプの老人ホームだと電車で5駅移動する場所にある、など立地に関しての考慮もありました。
毎日面会に行くならば自宅から施設が近いにこしたことはありません。
しかしながら今まで多くの紹介を行ってきた経験から、ご家族さまが毎日面会に行くことはそうそうありません。
場所も大事ですが、それ以上に誰が介護をしてくれるかがとても大事です。
大切なご家族さまの面倒を誰に看てもらうか、必要なケアを適切に行なってくれるか、この人たちと安心して楽しく暮らしていけるか、などの視点から施設選びをすることは入居施設を決定するために欠かせないポイントだと思います。
老人ホーム探しをご検討されている方へ
当社では老人ホームへのご入居を検討されている方向けに無料相談を行っております。
施設のご紹介はもとより、使える介護保険法や、特養への入居に関するアドバイスから、日々の介護でのテクニック等、介護が必要なご家族さま向けに無料のサポートを行っております。
車いすの移乗方法やベッドでの体交のタイミング、上手な食事介助法、汚れにくい排泄方法など介護施設で実践されている最新のテクニックなどについてもレクチャーしております。
それでも在宅介護の維持は難しいことばかりです。
同居の限界を感じ、老人ホームご入居を検討されているのであれば一度、ご相談ください。
当社のご相談においては、いかなる場合でも費用が発生することはございません。
お気軽にご連絡いただければ幸いです。
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