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【北烏山】アルコール性認知症が進行したため老人ホーム選びを始めた奥さま

【北烏山】アルコール性認知症が進行したため老人ホーム選びを始めた奥さま

※相談事例は全てご相談者さまの了承を得て記事化しております。



北烏山の在宅介護が限界


在宅介護に限界を感じた奥さまが老人ホーム選びのアドバイス先として弊社にご相談いただきました。



今回のご相談は50年以上連れ添ったご主人さまの認知症が進行し、これ以上在宅介護を続けるのことに限界を感じた奥さまからでした。



ご夫婦は銀座で長年、お店を営んでおり現在は息子さんが跡目を継いでお店を切り盛りしています。



ご主人さまは84歳で要介護2、80歳の節目を境に息子さんに仕事を任せて隠居生活に入りました。



隠居当時は認知症は発症しておらず奥さまと二人で日本の観光地を回っておられました。


ところがコロナになってしまい大好きだった旅行に制限がかかってしまい家から出ることが少なくなったころから認知症と思われる症状が出始めたとのことでした。



兆しはご主人さまが仕事を辞めて1年ほど経過したころからでした。

朝食の席でご主人さまが、仕事の話をするようになったのがきっかけでした。



仕入れ額の高騰やチェーンのメガネ屋さんが出店して売上が下がってきていることを懸念し何か新しいことをしなければならない、といった言動が見えるようになったそうです。



奥さまがおかしいと感じたのは、ある日の朝食後にスーツを着たご主人さまが出勤しようとしたことでした。



もしや認知症ではないか?と疑った奥さまはすぐに病院に連れて行こうとされたのですがご主人さまは病院に行く暇もないし、病気ではないと言って頑なに病院に行くことを拒否されたそうです。



しばらくするとご主人さまが排泄で失敗してしまうようになりました。

トイレには行かれるのですがうまく便器に用を足すことが出来ずトイレ内が汚れていることが多くなってきたのです。



これは認知症に間違いないと確信された奥さまはなんとか説得してご主人さまを病院に連れて行きました。



診断結果は「アルコール性認知症」でした。



ご主人さまはお酒がたいそう好きで、家に帰ってからつまみを食べながらのお酒を楽しみにしておられたのです。



アルコール性認知症の特徴はアルツハイマーと似ており、物忘れが激しくなります。

そして、進行すると時系列が判断できなくなるといった特徴があります



アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症を併発することもあり、症状が突如悪化すると言った特徴も持ち合わせています。



認知症が発覚してから2年ほど在宅介護で対応していましたが、症状が進行し奥さまの介護時間が増えてしまったことにより在宅介護の限界を感じた奥さまは、ご主人さまを老人ホームに入居する決心をされました。



そしてネットで調べた結果、当社の老人ホーム相談にご連絡をいただいたのでした。



銀座か北烏山か、迷う老人ホーム選び


奥さまはご自身でも老人ホーム選びを行っておりました。

しかし施設の場所をどこにするかで迷われていました。



実は奥さまはご主人さまが隠居された後も息子さまと銀座のお店で働いていたのです。



週に5日出勤している奥さまにとってデイサービスを利用してるとはいえ、在宅介護の時間がこれ以上長くなってしまうことはどうしても避けなければならなかったのです。



老人ホームへの入居は必然だったのです。



当初、奥さまは銀座の老人ホームが最適であると考えられていたようですが、自分もあと数年で隠居することになると思っており、その際にはご主人さまと同じホームに入ることを希望されていました。



北烏谷の持ち家は息子さんに譲ることで話はついていることを考えると、お店のある銀座ではなく息子さんが住むことになる北烏山のご自宅の近くのホームが良いのではと思うようになり施設選びが止まってしまったのです。



ご自身ではどうしても結論が出ずに息子さんに尋ねたりもしましたが、結論は出なかったそうです。

千歳烏山


北烏山エリアにおける老人ホーム選びの傾向


北烏山は世田谷区でも人口数が下馬に次いで多いエリアです。また、住宅街であること、日本女子体育大学があることから学生から高齢者まで幅広い層が住んでいる土地柄です。



これまでの弊社の相談事例から、北烏山に住まれているご家族さまが老人ホームを探すときの傾向として以下が挙げられます。



・北烏山近辺で安心・快適な老人ホーム

アクセスが便利

・質の高いサービスを提供している施設

居心地の良い施設

・経験豊富なスタッフがいる施設



ここで大事なことは「居心地が良い施設」と「アクセスが便利」です。


居心地というのは言い換えると「北烏山に住んでいた人たちが多い施設」という意味となります。



九品仏などと少し似ています。

古くから発展している街で老人ホームを探されるご家族さまに多い傾向です。



日本女子体育大学などがあるため学生の街という印象を持つ方もいらっしゃいますが千歳烏山は古くから発展してきた土地で地元色が強い街でもあります。



メール街という駅前に広がる商店街は懐かしいお店からチェーン店舗、新しいお店と移り変わっていますが高齢者の多い町が持つ特有の雰囲気を内包しています。



甲州街道(国道20号線)を挟んで北烏山と南烏山に分かれていますが千歳烏山として計算すると世田谷区でも上位の人口数を持つ街なのです。



そのような街において「居心地が良い施設」や「アクセスが良い」というのは千歳烏山駅周辺もしくは芦花公園周辺という意味であると考えてアドバイスするのがプロの相談員の役目です。



ご相談時に仕事場近くの老人ホームかご自宅近くか迷われていると言われた時、私は相談員としての過去の経験から千歳烏山周辺の施設をお勧めしました。



背景には上記の理由があったからです。



北烏山で老人ホーム選びの条件


さてエリアが千歳烏山に決まった後の条件は以下でした。



・千歳烏山周辺の身体介護付老人ホーム

・月額費用が月額36万円以内

・地元の高齢者が多く入居している施設



世田谷区にはたくさんの老人ホームがあり、大手の施設がしのぎを削っているため施設の選択肢は豊富です。



今回は費用面での問題はありません。



排泄や入浴で介助が必要なことから介護付き有料老人ホームがベストの選択と考えました。

あとは地元の高齢者が多く入居している施設ですが、こちらが難題でした。



当たり前ですが施設がご入居者の個人情報を開示することなどあり得ません。

しかしながらさらりと訊くことである程度の情報は収集できます。



ここでいうさらりとは個人情報を聞き出すということでも無ければ、オフレコでコッソリ教えてくださいという意味でもありません。



施設側の倫理に抵触することなくこちらの意図している回答がもらえるような質問の仕方があるのです。

しかしこれは弊社が弊社らしい紹介を行うためのノウハウですからこの場では書けません、ごめんなさい。



すでに候補と考えていた施設のいくつかにおいて納得のいく回答が得られました。

そこでリストをまとめてご説明に伺いました。



見学から施設決定までに時間をかけることもある


候補として挙げたのは4施設でした。大手ホームと中堅ホームです。大手ホームの強みは認知症の進行や身体状況によって近くの施設に転居できることです。



中堅も今回に関しては近くの施設で対応が可能とのことでしたので大手に負けないサービスクオリティを実現していました。



2日に分けて4施設を見学に行くことで見学予定をセッティングします。

当日はご主人さまと奥さまそして私の3人で施設を回りました。



施設の外装に新旧はありますが、働いている介護士はどの施設も素晴らしく甲乙つけがたかったのが印象的でした。



どの施設も何が出来るか、何が出来ないのかをしっかりと説明しており好印象でした。



見学が終わりどの施設にするかは相談員である私でも迷いました。

奥さまに伺うと同じ意見で最後は費用で決めるかもしれない、とのことでした。



こういう時は少し時間をかけてゆっくりと考えることが必要です。

焦って選んでしまうと後々になって、



(あの時、決断するのが早すぎたのではないだろうか)



といった疑念が浮かぶからです。もっと良い選択肢があったのではないか、と思い始めると施設の見え方が180度変わってしまいます。



ちょっとしたことが気になり始め、最終候補の別の施設ならこんなことはなかったかもしれない、と思うようになってしまうのです。



施設の決定はご家族さまが満足していなければなりません。



相談員がご家族さまに自分の都合の良い施設へ誘導することなどあってはならないことなのです。

そのような行為は必ずトラブルにつながるからです。



ショートステイで入居先の判断するという方法


3日ほどして奥さまよりお電話をいただきました。

見学に行ったホームの中で2候補が最終候補になっているが決められない、とのことでした。



そこでショートステイをしてみてはいかがでしょうか?と、ご提案しました。



3日から1週間ほどショートステイをすることでその施設を判断できるからです。

ショートステイ中は面会も可能ですからご主人さまと面会しながら見学では見えなかった面を垣間見ることが出来るのです。



奥さまは提案を受け2つの介護付き有料老人ホームでショートステイをすることにされました。

それぞれ3日ほどのショートステイを行い最終的にどちらの施設にするかを見極めることになりました。



しかしそこで思わぬ反応が返ってきました。それは、紹介をした私宛に施設長からかかってきた1本の電話でした。



介護現場のリアルを感じる出来事


施設長から私宛にかかった電話で聞かされたのは驚きの発言でした。

結論から申し上げれば、その施設ではご主人の受入れはできない、というものでした。



その理由に私は驚くと共に施設長の真摯な対応に敬意をおぼえました。



その施設では現在、女性スタッフが8割でその大半が小柄な介護士でした。

ご主人さまは身長175cm、体重は70kgと大柄だったのです。



この体重だと車いすーベッドの移乗、排泄介助、入浴介助を行うには、ある程度の力が無いとボディメカニクスを使っても対応が難しいのです。



その場合、2人介助ということになります。当然ですが2人介助になれば他のご入居者に使うべき時間が少なくなります。

同じ人数で対応している場合、ご主人さまの入居により、それまでの業務に支障が出てしまうことは避けられなかったのです。



このことに首をかしげる方もいると思いますが介護現場とはそれほどまでに時間に縛られ、やるべき業務がひっ迫しているのです。



施設長はトータル的に考えた結果、現在のリソースではご主人さまを受け入れることは難しいと判断されたのです。



受入れ拒否理由を奥さまに伝えることが出来なかったため私宛に電話をかけてきたことはすぐに理解できました。

私はこのことを奥さまにお伝えしました。



奥さまも驚かれていましたが、消去法としてもう片方の施設に入居する決定をされました。



北烏山の介護付き有料老人ホームに入居


ご主人さまが入居されてから3週間ほどしたころ、奥さまにお電話をしました。

ご入居当初は環境の変化により帰宅願望が強かったそうですが、しばらくすると昔話が出来る友人が出来たことによりご主人さまの帰宅願望も薄れてきたそうです。



面会でも最初は、



ご主人さま「一緒に帰ろう」



という発言が多かったようですが最近ではそのような発言も少なくなり、施設での暮らしを楽しんでおられるそうです。



ただ、帰宅願望というのは感情の変化により表れるので可能であれば頻繁に面会してください、とアドバイスを行いました。



奥さまは施設の対応について不満は無く、施設で働くスタッフも皆さん礼儀正しくしていただき本当に助かっています、と言われておりました。



そのことを聞けたことで今回のケースが完了したと判断いたしました。



今回のように施設で働くスタッフの要因により入居が難しくなるケースというのは稀有であり私も初めてのことであり勉強となりました。



最期にボディメカニクスについて少しだけ補足説明いたします。

ボディメカニクスとは、人間の運動機能である骨・関節・筋肉等の相互関係の総称、あるいは力学的相互関係を活用した技術のこと。
家庭で介護を担う者や、福祉施設などで働く介護職員は、介護を必要とする人を抱えたり、持ち上げたり、支えたりしなければならない。 そのため介護者の身体への負担は大きく、介護従事者の8割が腰痛や肩こりを経験しているという調査結果もある。
このような介護負担を軽減させるには、余分な力を使わず無理のない姿勢で介護する方法が有効である。 介護だけでなく、看護・育児でも活用することで、身体の負担を軽減することができる。

弊社では、老人ホーム入居に関する無料相談を行っております。入居先のご紹介やホーム全般に関するご相談は以下よりお問合せ願います。



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