※相談事例は全てご相談者さまの了承を得て記事化しております。
息子さまとお母さまのダブルケアは無理
ホームページの無料相談にお問合せいただいた神奈川県平塚市にお住いのご家族さまのケースとなります。
独居しているお母さまの認知症ケアが難しいので老人ホームを検討しているということでした。
アポイントをいただき現状のヒアリングを行いました。
お問い合わせは次女さまからでした。
現在、次女さまはお母さまのご実家から車で1時間ほどの場所で生活されています。
老人ホームのご入居を検討されたのはお母さまの状態変化からでした。
それまで元気なお母さまでしたがコロナ禍のフレイルにより認知症を発症しました。
それに伴い徘徊が目立つようになってしまったのです。
※フレイルとは 医学用語のfrailityが語源。高齢者が年齢と共に心身が衰える状態を指します。 肉体的には筋力の衰えがあり認知症なども発症しやすくなります。 病気ではありませんが日常生活に支障がでてくるため一般的には健康な状態と要介護の中間段階を指します。 参考:厚生労働書「健康長寿に向けて必要な取り組みとは?100歳まで元気、そのカギを握るのはフレイル予防だ」
次女さまは徘徊が頻発し警察に保護されるといったことから独居は難しいと判断されました。
同居も検討されたのですが、次女さまには小学生の息子さんがおり同居になると息子さんの子育てとお母さまの介護というダブルケア状態になってしまうため同居が難しいという状況がありました。
尚、次女さまはお仕事をされており週5日出勤されているためお母さまの徘徊を見守ることが出来ないという背景もありました。
テスト的に訪問介護をつかったりデイサービスをつかったりもしましたが思うように機能しなかったそうです。
ケアマネジャーからのアドバイスによりショートステイも試してみましたが抜本的な解決にならないため老人ホーム入居を検討されていることがわかりました。
お母さまのADL
老人ホーム検討の根拠がわかりましたのでお母さまのADLについてヒアリングを行いました。
【お母さま:88歳】
食事:普通食(通常食)
歩行:自立
排泄:自立
更衣:自立
義歯:なし
認知症:中度※
介護度:要介護1
【補足】
・徘徊
介護認定を受けたのが1年ほど前、要介護1と判定されておりますがこの1年で認知症が進行しており、昨今では記憶障害が進行し相手が言っていることを理解するのが難しくなってきていました。
次女さまのことを認識できない時などがあったり、更衣手順が分からないと思われる症状が確認できています。
このまま進行すると更衣については一部介助が必要になり、排泄についてもミスが出てくることが想定されました。
施設入居の条件
老人ホーム入居に関する必須条件、充分条件についてお伺いしました。
◆必須条件
・一時入居金:150万円以下※
・月額利用料:23万円以下
・看取り対応
・次女さまの自宅から30分圏内
◆充分条件
・一時入居金0円プランがある場合はそちらを優先する ・月額利用料が年金と貯金でまかなえる
・即入居
・転居は考えていない
月額利用料は月間の支払い総合計となります。
お母さまは年金と貯金があるため保有現金で3年ほど支払いが出来るようにすることがご希望でした。
足りない場合は長女、次女、三女さまが不足金を3分割して支払う準備はされておりました。
不足分をご家族さまで支払う準備が出来ていることから、月額利用料は充分条件としましたが実質的には必須条件と言えます。
また、お母さまの徘徊が頻発しているため入居はできるだけ早いことがご希望でした。
老人ホームを転居されることはお母さまにとってもストレスになることから、看取り対応が可能であること、ADLが低下して介護士による介助が必須となってきても費用に加算されないことなどが条件として挙がりました。
以上を加味すると今回のケースで最適な施設形態は介護付き有料老人ホームであると考えました。
ちなみにお母さまは要介護1となるため特養(特別養護老人ホーム)は対象外となります。
※昔と異なり現在、特養の利用条件は要介護3以上となっています。ただし、その方のADLや生活環境により必ずしも要介護3でなくとも入居できることはあります。
老人ホーム選びの注意点、口コミとランキングサイトを過信しない
神奈川県は都内に続いて老人ホームが多い都道府県です。
施設形態もたくさんあり選択肢は豊富であると言えます。
検索サイトで「平塚市 老人ホーム」と検索すればたくさんの施設を確認することが出来ます。
検索結果には口コミが投稿されている施設もあります。
施設探しを行う上で口コミは重要な判断基準とはなりますが過信しすぎないようにすることが大切です。
口コミは作り込むことが出来るだけではなく、口コミを量産するサービスを提供する業者なども存在しており必ずしも皆さまの声が反映されているわけでは無いのです。
口コミは話半分
老人ホームに限らずネットの口コミは投稿者の一方的な感情が反映されているケースが多く、高評価ばかりの場合は作為的に作られた口コミだったりもします。
作為的な口コミには一定の特徴があるため見るべき人が見ればすぐにわかるのですが、見抜く自信がない方は「口コミは話半分以下」くらいで考えるようにしてください。
最近では、口コミを信じて入居したが実態は全く違うため転居したいといったご相談も増えています。
ランキングサイトは広告費依存
エリアごとに老人ホームのオススメ順位を掲載しているランキングサイトは、施設選びには便利ですが落とし穴があるので気を付けてください。
ランキングサイトは各施設が広告費をホームページ運営者に支払っている場合がほとんどです。
ホームページ運営者は広告費をより多く支払ってくれる施設を優先的に紹介しようとする傾向があります。
施設の実態と関係なくより多く広告費を支払っている施設が上位にランキングされる問題を抱えています。
また、ランキングサイトを運営している企業が介護業界に精通しているとは限らないことも問題です。
介護業界に携わっていないのにどうやってランキングを決めているのでしょうか?
謎です。それこそが老人ホーム選びで間違いやすい入口になってしまっていると当社では考えています。
ランキングサイトは施設比較をする上で、とても便利であることは理解していますがランキングが上位だから良い施設だと考えるのは早計です。
施設を決定する前に必ず見学をしてご自身の目で施設をしっかりと見極めるようにしてください。
ご家族さまで老人ホームを探される方向けに、老人ホームの選び方というアドバイスページをご用意しておりますのでご確認いただければ幸いです。
老人ホーム見学で大切なこと
施設の入居条件をいただき平塚市内にある介護付き有料老人ホームのリストアップに取り掛かります。
ご利用費用に関する条件を軸に、介護業界内で評判になっている施設や介護士の転職先として人気のある施設など、表に出てこない情報なども加味しながらリストを作成します。
リストが完成したので改めて次女さまにアポイント日時を取り決めていただきます。
提案施設についてご説明をすると2つの施設について見学依頼をいただくことが出来ました。
当日は次女さま、相談員の2人でお伺いしました。
施設見学はその施設を見る数少ない機会ですから無駄にすることはできません。
事前に見学時で見るべきポイントをご説明しました。
※詳しくは老人ホームの選び方施設見学でみるべきことに記載しましたが一部抜粋しておきます。
◆施設を確認する
・共有部のトイレが汚れていないか
・ダイニングなどがキレイか
・お風呂で便臭尿臭が漂っていないか
・施設内が清潔に保たれているか
・ご入居者さまが笑顔で過ごされているか
◆スタッフを確認する
・見学者さまにあいさつをしているか
・ご入居者さまを子供扱いしていないか
・ご入居者さまへの言葉遣いは適切か
・大声を出していないか
・ご入居者さまを下の名前で呼んでいないか
特に赤文字で記載している点は施設の日常を把握する上でとても重要になりますので気にして確認するようにしてください。
見学予約が入ると施設は全スタッフに対して、挨拶の徹底、ご入居者さまの洋服が清潔に保たれているか、言葉遣いについてしっかりするように伝令を出します。
見学者はあくまでもお客さまですから施設としても良い面を見ていただきたいというのは理解できますが、行き過ぎはよくありません。
見学時の印象と通常環境が異なっていることがトラブルの原因となり転居となるケースも増えてきています。
できるだけ施設の日常を知ることが見学における最大のポイントなのです。
平塚にある介護付き有料老人ホームを選ぶ
老人ホームの見学が終了した後に感想を伺うお時間をいただきました。
そこでご家族さまが感じた点をまとめました。
今回、見学した施設は全て必須条件を満たしています。
A施設:中規模介護付き有料老人ホーム
>「キレイな施設でした。スタッフの方も皆さん挨拶もしっかりしてましたし、ニオイもありませんでした。責任者の方がとても温和で好印象でした。良い施設だと思います。悪い点はあんまりないのですが、おひとりベテランスタッフの方が他の方よりも大きな声を出していたのが気になりました。」
B施設:中規模介護付き有料老人ホーム
>「こちらも責任者が丁寧でとても良かったと思います。A施設よりもみなさん礼儀正しい印象でした。
食堂にいる方は皆さん認知症の方なのでしょうか?立ち上がるとすぐにスタッフの方が席に行って座らせてるように見えましたが転ばないようにしてるんですか?」
見学での感想は施設選びでとても大きな意味をもっています。
感想について元介護士の経験を踏まえて説明を行いました。
A施設:ベテランスタッフが大きな声をだしていた
施設としてはスタッフが大声を出すことを禁じています。
介護において大声を出すことは精神的な虐待と判断されるからです。
また大声に限らず入居者さまに行動制限させるような発言はスピーチロックと見なされ介護ではNGです。
※スピーチロックとは言葉で相手の行動を精神的・肉体的に制限する行為です。
A施設は介護士の定着率が高い施設です。ご入居者さまにとって顔なじみのスタッフがたくさんいることはそれだけで安心できるため生活しやすい施設といえます。
施設長の人柄の良さは内外に知られており、入居者のご家族さまとも良好な関係を保っている施設です。
B施設:食堂にご入居者さまが集まっている
介護施設では、徘徊や転倒の恐れがあるご入居者さまを一か所に集めて見守りをすることはよくあります。
パーキンソン病などのご入居者さまは転倒リスクが高いため日中は居室で臥床していただいたり、しっかりと見守りが出来る環境で過ごしていただくことで転倒リスクを軽減します。
徘徊は誤入室や離設(許可なく勝手に施設の外に出てしまう)の危険性を伴います。
誤入室は入られてしまったご入居者に恐怖やストレスを感じさせてしまいます。
また離設はご入居者さまの安全を担保できないリスクがあります。
B施設はスタッフ教育にも力を入れており特に、中途採用者に対するOJT(先輩スタッフが後輩スタッフに技術や知識を教える行為)がしっかりしていて独自の介護メソッドが上手く機能していると評判の施設です。
各施設の説明を終えた後、他の施設を見学されたい場合はまたご連絡願います、とお伝えしてその日の見学は終了しました。
数日後、次女さまからお電話をいただき確認したいことがあるので来ていただけませんか、とご相談をいただきました。
ショートステイで最終判断
次女さまからB施設について検討されてるとのお話をいただきました。
ただ、初めての老人ホームということもありこのまま決めてしまっても良いのか判断が出来ないので何か良い方法はないでしょうか、ということでした。
そこでショートステイを使った体験入居をご提案しました。
1週間ほどのショートステイをすることで色々な点を洗い出すことが出来ます。
体験入居を目的としたショートステイについて施設側から承諾をいただき1週間のショートステイを試しました。
◆ショートステイでの確認事項
ご家族さま側
・面会に行き施設の日常を確認する
・お母さまの状態を確認する
施設側
・アセスメントの作成
・帰宅願望の有無
・認知症ケア
次女さまはショートステイ中に2度ほど面会に行かれ、お母さまがどんな様子で過ごしているのかといったことを確認されました。
2度の面会を通して安心してお願いできると納得されました。
施設側からは、以下の報告をいただきました。
・お母さまの帰宅願望がそれほど強くないこと
・一部更衣介助が必要かもしれない
・日中は落ち着いており他のご入居者さまとも仲良くされている
・夜勤時に数回、徘徊が確認されたがお声がけすることでその後、朝まで良眠されている
次女さまが納得されB施設への入居について承諾が得られましたので本契約の手続きを開始しました。
ショートステイから本入居へそのまま移行しました。
1か月ほどして次女さまから一度お電話をいただきました。
外出許可を取って家族全員とお母さまとでランチをされたとのことでした。
その際、お母さまが楽しそうに施設であったことを話されているのを聞いて安心してお任せできると感じたことを教えてくれました。
次女さまが施設に安心感を持っていることが確認できたため、今回のケースをクローズといたしました。
平塚市には業界内で評判の良い施設がいくつかあります。
こうした施設には老人ホーム紹介会社も安心してご相談者さまを紹介することが出来るため高い入居率になります。
ただ最新の施設情報をネットなどから見つけるのは難しいと思います。
介護業界に携わり介護士や施設と関係値を気付かなければこうした情報は入ってこないからです。
当社では常に介護業界に係わる方々と情報交換を行い最新情報をアップデートし日々の相談業務に活用しています。
こうした情報も含めて、老人ホーム探しを検討されているご家族さま、ご本人さま向けに無料相談を行っております。
◆当社の無料相談は以下を守ります。
・秘密厳守
・過度な営業行為は行いません
・紹介した施設にご入居頂かなくても費用が発生することはありません
・ご紹介した施設に入居が決定しても紹介料、成功報酬費などを費用が発生することはありません
いかなる場合でにおいても費用をご請求することはございません。
老人ホーム選びに迷われている方や、何をすればよいのか分からないといったご家族さまからのご相談をお待ちしております。
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