※相談事例は全てご相談者さまの了承を得て記事化しております。
弘明寺にお住いの85歳男性がいつも同じ服な理由
横浜市のケアマネジャーから老人ホーム探しの相談にのってほしいという依頼をいただきました。
弘明寺のご家族さまに連絡をする前に事前にケアマネジャーに老人ホーム探しの根拠について伺いました。
すると、利用しているデイサービスから男性がいつも同じ服を着ていて汚れている時もある、介護疲れなどが発生している可能性があるので施設入居の話を持ち掛けてもらいたいとのことでした。
ケアマネジャーからの情報をもとに、ご家族に連絡し当社横浜にある相談室でヒアリングのお時間をいただきました。
当日は、同居している50代の娘さまが来訪。
老人ホーム探しのお話をする前に現状の介護状況を伺うところからスタートしました。
するといくつかのことがわかってきました。
◆現在の介護情報
・この数か月で急激に認知症が進行している ・毎日喧嘩が絶えなくなってしまった
・ご主人と特に折り合いが合わなくなっている
・この数か月で介護疲れによるストレスが強くなっている
認知症ケアは在宅介護の継続を左右する大きな要因となります。
老人ホーム紹介を行っている経験からいうと認知症の進行はご家族さまに大きな不安を与え老人ホーム入居を決断する大きな要因となります。
日々行う身体介助(食事、排泄、着替えなど)だけではなく、コミュニケーションがとりづらくなってしまったことによる精神的なストレスが在宅介護の継続を難しくしていると言えます。
今回のケースもご家族さまが精神的にストレスをため込んでいることがうかがえます。
このような場合、介護するご家族さまが今後、介護生活についてどのようにしたいのかを知ることがとても大切になります。
そこで娘さまに、今後どのようにお父さまと生活していきたいかについて伺ってみました。
娘さまは少し黙った後、こういわれました。
娘さま「自宅で最期まで面倒を看る覚悟で同居をはじめました。しかし、認知症が進行してしまい何をしたいのか、何を考えてるのかが分からなくなってしまいました。
これ以上、認知症が進行すると思うと介護できる自信がありません。」
続けて、
娘さま「主人はもう限界だと思います。父と私たちの間で喧嘩が絶えなくなってしまい家の中はボロボロです。父のハナシになると主人は機嫌が悪くなってしまいますし、私との喧嘩も多くなってしまいました。正直なところ私も限界だと思います。」
相談員として同じケースを数多く経験してきました。そこで娘さまにある質問をしました。
相談員「ご家族の中で老人ホームにお願いするという選択肢は出ていますか?」
すると、
娘さま「主人から老人ホームに入居してもらう方が良いとは言われています。」
相談員「娘さまはどうですか?」
娘さま「私は自宅で面倒を看たいと思っていました。でも今は施設に入ってもらえたらどんなに楽かということばかり考えるようになっています。」
ここまでお話を伺いケアマネジャーから伺っていた現況について質問をしました。
相談員「利用されているデイサービスからケアマネジャーあてにお父さまがいつも同じ服を着ているというお話を頂いているのですが何かあるのでしょうか?」
娘さま「そんな話まで・・実は父が着替えを拒否するようになってしまったんです。以前はそんなことはなかったのですが。。着替えをしようとすると機嫌が悪くなりすごい顔で怒り出したり、強い力で着替えを拒否するので、仕方なくそのままデイサービスに行ってもらってます。」
ここまで伺ってはじめて老人ホーム探しについての話を切り出しました。
相談員「老人ホーム入居に関するご相談ですが、ご家族さまのお気持ちが固まっているようであれば施設探しのためにお父さまのADLについて少しお伺いしたいと思いますがいかがでしょか」
娘さま「はい。そのつもりで来ています。どんなホームがあるのか、どれくらいのお金がかかるのか等を知りたいです。お願いします。」
お父さまのADLについてのヒアリングを開始しました。
お父さまのADL
現在の状況をまとめます。
【お父さま:87歳】
食事:普通食(通常食)
歩行:自立
排泄:自立※
更衣:一部介助
義歯:なし
認知症:中重度 介護度:要介護1
※排泄のミスが多くなってきている。
【補足】
・上半身の着替えはご自身で可能だが、ズボンをはくことが出来なくなってきている。
・普段はリハビリパンツを利用しているが、気づかないうちに布パンツに履き替えてしまったりリハビリパンツを破ってしまうことあり。
・布パンツが便失禁により汚れてしまいご自身で洗濯しようとする行動が増えている。そのような時は話しかけるとたいてい喧嘩になってしまう。
お話を伺い現状のリスクをご説明しました。
下着について、デイサービスから布パンツではなくリハビリパンツにしてほしいという相談を受けてリハビリパンツに変更していますがお父さまが慣れていない、ということが考えられます。
こうした点がお父さまを感情的にさせている可能性があります。
ズボンをはくことが出来ないということは転倒リスクがアップします。
中途半端な状態で歩行すると転倒リスクは格段にアップします。
転倒により骨折してしまうとADLが一気に下がってしまい、車いす生活になってしまう場合もあります。
お父さまは体格が良く体重もあるため車いす生活になってしまうと、車いすからベッドへの移乗などを娘さまが行うことになり大変な作業になります。
娘さまも転倒リスクや車いす生活について大きな不安を抱いていました。
お父さまのアセスメントを行ったのち、施設に関する条件などを伺いました。
老人ホーム探しの必須・充分条件
施設を探すにあたり必須条件と充分条件を伺いました。
◆必須条件
・一時入居金:100万円以内
・月額利用料:20万円以下
・自宅から30分圏内
・個室部屋
◆充分条件
・レクリエーションが充実している方が良い
横浜市は特養も含めて介護施設が増えているエリアであり、都内に比べて安価に利用できる施設が増えています。
今回のケースにおいては介護付き有料老人ホームが好ましいと考えました。
特養(特別養護老人ホーム)も視野にいれて施設探しをはじめました。
評判の良い老人ホームの探し方
京浜急行線沿線で井土ヶ谷から上大岡あたりを中心に施設探しを開始しました。
実はこれまでご家族さまがご自身で老人ホーム探しをしなかった理由の1つに、老人ホームは高いという印象を持っていることがわかりました。
確かに都内などでは一時入居金1000万円以上の施設はたくさんあります。高級老人ホームがブームになった時は一時入居金1億円以上などという施設も出来ています。
しかし現在、こうした施設では空き部屋が多くなっております。
神奈川県の横浜市なども一時期は高級老人ホームがありましたが今の人気は一時入居金300万円以下の施設です。
さらに娘さまからいただいた一時入居金100万円以下の施設もたくさんあります。
そのような情報はホームページやパンフレットを取り寄せれば誰にでも探すことはできます。
相談員としてやるべきことは、価格に対するサービスがしっかりしている施設であり、介護業界内で評判の良い施設や介護士に人気のある施設など決して表に出ることが無い情報を加味して施設リストを作成することです。
当然ですがそのような勢いのある施設は人気があり空き室も少なくなります。施設リストを作成する上で空き室も確認する必要があります。
これまでのネットワークを使いリストを構築し2回目のお打ち合わせの時間をいただきました。
弘明寺近辺にある介護付き有料老人ホームにご入居
ご提案したリストの中から見学をしてみたいという施設をいただきましたので早速、見学手続きをとりました。
娘さまから見学は家族だけで行きたい、という趣旨をいただきましたので見学時に見るべきポイントなどについてご説明いたしました。
※見学時に注意すべき点については初めての老人ホーム選びで説明しております。
見学が終わったと思われる時間に連絡をして感想を伺いました。
感想をまとめました。
◆施設見学の感想
・建物が新しくてキレイだった
・レクリエーションを愉しんでいるご入居者さまが多かった
・認知症のご入居者様に対して介護士が丁寧に接していて安心できた
・費用の説明などとても丁寧だった
・施設長が安心できる人物だった
・個室が気に入った
・トイレがキレイだった
・浴室・トイレなどで便臭はしなかった
何より、働いている介護士、業務スタッフが明るかったことが印象的だったそうです。
実はこの施設は介護士が働きやすい環境を整えることに力を入れている施設で介護士から転職先として人気のある施設でもあることは事前の調査でわかっていました。
利用者さまだけではなく、働いている介護士に人気がある施設というのはたいていの場合において、評判が良いことが多いです。
ただし介護士に人気のある施設情報を入手するのは業界に精通していなければ難しいが実情です。
見学が終了した翌日、娘さまからお電話をいただき、見学に行った施設に決めたので入居手続きに取り掛かってください、と施設入居連絡をいただきました。
正直なところ、空き室がほとんどなかったので早めのご連絡にホッとしました。
入居手続きはスムーズに完了しご入居についても問題はありませんでした。
ご入居は無事に完了いたしました。
ご入居後しばらくしてから様子伺いのお電話をいたしました。
すると、入居当初は帰宅願望が強いと施設から連絡があったそうですが今では帰宅願望も落ち着いてきたこと、丁寧な排泄介助により今ではリハビリパンツを破ってしまったり、履き替えようとする行為も収まってきました、というご報告をいただきましたので今回のケースをクローズとしました。
横浜市は老人ホームが多いエリアでもありサービスは玉石混合です。
残念ながらインターネットの口コミなどをみると業者の書き込みと言えるようなものが投稿されている施設もあります。
ご自身で施設探しをされる場合は必要以上に口コミを信用しないようにすることも大切です。
また、見学は施設を実際に見ることが出来るとても貴重な時間です。
見るべきポイントなどをしっかりとまとめることで効率的な見学が可能になります。
当社では老人ホームを探されている方向けに無料相談を行っております。
いかなる場合においても費用が発生することが無い完全無料相談となります。
以下に問合せフォームを設置しておりますのでお気軽にご連絡ください。
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