※相談事例は全てご相談者さまの了承を得て記事化しております。
荏原で訪問介護を利用しているご家族さま
過去に老ホームをご紹介したご家族さまからご紹介を頂きました。
現在、荏原で同居しているご家族さまは訪問介護を利用していました。
同居しているのは新潟から呼び寄せをしたお母さまで認知症はありませんが、最近になりADLが低下し自立歩行が難しくなってきていました。
歩行器を導入しましたが古い家であるため不便なことも多く、お風呂なども転倒リスクが高まっていました。
そのため週2回訪問入浴を頼んでいます。
ご家族さまは共働きで週3回の訪問介護と週2回の訪問入浴の間はスタッフが見守りをしてくれますが、それ以外の時間でお母さまが一人になってしまうことを心配していました。
このままADLが低下すると誰もいない家の中で転倒した場合、何時間も誰にも気づかれない状態が続いてしまい重大な問題になってしまうことを危惧されていました。
ご相談を頂き五反田の相談室でヒアリングを行いました。
老人ホームの仕組みや費用
ご家族さまはお母さまを老人ホームへ預けることに前向きな姿勢でしたが、施設の種類や費用について全く分からずどうやって進めればよいか悩んでおられました。
そこで施設探しの前にお母さまのADLと施設に関するご説明を行いました。
【お母さま:86歳】
食事:普通食(通常食)
歩行:歩行器
排泄:自立
更衣:自立
義歯:ナシ
認知症:ナシ
介護度:要支援1
お母さまは現在86歳で認知症は無く、歩行器を使っている意外、家族の介護は必要ありませんでした。
しかし、歩行が不安定になってきており転倒リスクが高まっていることが訪問介護士から報告されています。
本人も歩くことがしんどくなってきた、と言われており家族に迷惑が掛かるなら老人ホームに預けてほしいと言われていました。
ご家族さまとしては元気な内は老人ホームではなく同居したいという想いがありますが、このままお母さまのADLが低下していくことを考えると老人ホーム入居が正しい選択ではないかとも考えていました。
ただ、老人ホームは高いというイメージを持たれており、費用面で心配をしていました。
お話を伺って老人ホームへの入居を前向きに検討されていることが分かりましたので詳細な条件の作り込を行いました。
◆必須条件
・一時入居金:できるだけ安く
・月額利用費:25万円まで
・自宅から車で1時間以内
◆充分条件
・可能なら週3回の入浴又は内風呂
ご家族さまが一番心配していたのが老人ホームの利用料金でした。
インターネットで調べると一時入居金が1000万円以上と書かれてある施設などが当たり前のようにでていることから、お金持ち以外は施設に入ることが出来ない、という印象を持たれていました。
確かに都内では1000万円以上の一時入居金を提示している老人ホームはたくさんあります。
しかし、参入障壁が低くなり多くの企業が老人ホーム運営ビジネスに参入してきたことにより料金形態も多様化し、予算に合わせて選べるようにもなってきています。
そこで今回は費用を最重要視した施設リストの作成となりました。
尚、充分条件にある週3回の入浴についてはこの価格帯では難しくあきらめることになりました。
内風呂については住宅型有料老人ホームなどを探すこととしました。
住宅型有料老人ホームかサ高住か介護付き有料老人ホームか
荏原から車で1時間圏内には老人ホームがたくさんあるため選択肢に困ることはありません。
お母さまは認知症を発症しておらず基本的には歩行以外、自立しているため施設形態の選択にも幅を持って考えることが出来ました。
住宅型有料老人ホームについては内風呂がついている施設をピックアップしました。
サ高住についても同様です。
介護付き有料老人ホームについてはお母さまの自立度から見守りナシでの入浴、可能であれば好きな時間の入浴が可能な施設がないか(もちろん特例になりますが)確認しました。
ご提案に値するだけの施設リストが完成したためご家族さまにご連絡いたしました。
すると、3つの施設について見学依頼を頂くことが出来ました。
見学を終えた感想
3つの施設に見学依頼書をだし日程を調整しました。
見学にはご家族さまとお母さまがいらっしゃいました。
見学は施設を知るとても大事な時間です。
そこで見学で見るべきポイントについてご説明をいたしました。
※見学時に見るべきことについては老人ホームの選び方に記載してあります。
今回見学した施設の簡易情報を載せておきます。
A施設:住宅型有料老人ホーム
B施設:住宅型有料老人ホーム
C施設:介護付き有料老人ホーム
ご家族さまとお母さまの感想が以下となります。
A施設:住宅型有料老人ホーム
ご家族さま「キレイですね。初めて老人ホームの中に入りましたがホテルみたいですね。」
お母さま「いろんな人がいますね。私と同年代の方が多いですね」
B施設:住宅型有料老人ホーム
ご家族さま「内風呂は無いんですね。でもお風呂がキレイで広いのでゆったりできそうですね。」
お母さま「食堂でみなさんと食事するのですね。緊張しますね。慣れるかしら。」
C施設:介護付き有料老人ホーム
ご家族さま「認知症の方は一か所に集められてるんですか?なんか全体的に元気がないみたいで心配です。」
お母さま「私の中の老人ホームがこういうイメージです。」
ちなみに費用面についてはどの施設も必須条件を満たしています。
ご家族さまの決断
見学から1週間ほどしてご家族さまからご連絡を頂きました。
A施設へのご入居を希望されました。
決断のポイントがこちらとなります。
・お母さまの強い希望
・建物がキレイで部屋もキレイだった
・食事が見学した中で一番良かった
・スタッフが明るく仕事をしていた
・自宅からの交通の便が良かった
施設に連絡をし入居手続きを行います。
また現在利用している訪問介護会社への連絡など諸手続きのサポートを行いました。
入居日当日は他の入居相談が入っていたため私は同席することが出来ませんでしたが、お母さまは明るく入所されたということでした。
ご入居から1か月ほどしてご家族さまにご連絡をすると、ほぼ毎日お母さまとlineでやり取りをしておりお母さまも老人ホームを楽しんでいることが報告されました。
お風呂はスタッフ見守りが必須となっていますが女性スタッフが見守りをしてくれるなど羞恥心に配慮してくれていました。
ただ、週に2回の入浴については少し残念がられていたそうです。
さらに、この施設では年配のベテラン介護士が多いため共通の話題などもあり、お母さまはスタッフとも良好な関係値を気付いていることもわかりました。
お話を伺い入居に問題が無いことが分かりましたので今回の件をクローズしました。
施設の費用算出で大切なこと
今回のケースでご家族さまは住宅型有料老人ホームを選択されました。
住宅型有料老人ホームを検討されているご家族さま向けに少しご説明をしたいと思います。
住宅型有料老人ホームと介護付き有料老人ホームの違いは介護サービスが基本料金に入っているかいないかです。
住宅型有料老人ホームは施設の居住権に対して費用が発生しているため介護サービスはついていません。
住宅型有料老人ホームで提供されている一般的なサービスがこちらになります。
・食事
・部屋の掃除
・洗濯
・買い物代行
・見守り
・生活相談
・レクリエーションへの参加
自立度が高いご入居者であれば介護付き有料老人ホームよりも安い料金で利用できるメリットがあります。
※あくまでもそのようなケースがあるということであり必ずしも介護付き有料老人ホームよりも安く利用できるという意味ではありません。
介護サービスが付帯されていないため、介助が必要になった場合は別途介護サービスを購入する必要があります。
そのためADLが下がってくると利用する介護サービスが増えるため当初予定していた予算よりも支払い額が大きくなってきます。
このことを理解して予算作りをしなければ支払い額が予算を超えてしまい転居する事態に発展してしまいます。
これに対して介護付き有料老人ホームは介護サービスの料金が含まれています。
そのため、入居時に自立度が高い方が加齢により身体介護が必要になった場合でも費用が変わることはありません。
予算を算出する場合、介護付き有料老人ホームのほうが楽に計算ができるメリットはあります。
また、老人ホームを利用する上で大切なことは月額利用費以外に掛かる費用を計算しておかなければならない点です。
例えば歩行器や転倒防止用のポールなどをレンタルすればレンタル費用が掛かります。
そして、紙おむつやリハビリパンツなど福祉用品を利用すればその費用が掛かります。
ご入居者の状況により異なりますが予算作りをするのであれば月額利用費のほかに雑費として月額3万円前後を計算に入れることが大切です。
紙おむつなどの費用算出については過去記事であるニオイによる同居が難しいと判断、老人ホーム探しのご相談で具体的な計算を行っておりますのでご確認いただけます。
費用の算出ミスは失敗した老人ホーム選びになってしまうことにつながります。
多くのご家族さまが、こんなはずじゃなかったと思われることが多く最悪の場合、予算が足りなくなってしまい転居になってしまいます。
当社ではこうした費用の算出ミスなどがおこらないよう無料相談でアドバイスを行っております。
老人ホームへのご入居を検討されているご家族さま向けに無料相談を開設しております。
お気軽にご相談いただければ幸いです。
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