施設の種類
高齢者介護施設には民間と公的施設が存在する
民間の高齢者介護施設の種類
公的な高齢者介護施設の種類
高齢者介護施設には民間と公的施設が存在する
日本における老人ホームには民間が運営する施設と公的機関が運営する施設が存在します。
それぞれに良い点と考慮すべき点がありますので特徴を説明してまいります。
◆民間施設の特徴◆
民間企業が運営する老人ホームの特徴は、独自性を打ち出すため各企業ごとに特化したサービスを打ち出していることにあります。
全体的に公的施設に比べてサービスが充実しているため、介護者さまのニーズに合わせて施設を選択することが出来ます。
民間老人ホームの種類は一般的に以下となります。
・介護付き有料老人ホーム
・住宅型有料老人ホーム
・サービス付高齢者向け住宅(サ高住)
・サービス付高齢者向け住宅(特定施設)
・グループホーム
・シニア向け分譲マンション
◆公的施設の特徴◆
公的老人ホームは地方自治体、社会福祉法人、医療法人などが運営している老人ホームとなります。
利用費用が安価であり生活保護受給者や低所得者に適用できる制度があるなどお金の面で優遇されていることが特徴となります。
ただし費用が安いため入居希望者が殺到してしまい空きが少なく、入居待ちの状態が慢性化していることが問題ともいえます。
また民間老人ホームと異なりサービスが画一的であることからご家族が考える介護と異なるサービス内容であるなど、サービス面の満足度が民間に比べて低いことは否めません。
昨今のコロナ禍においては面会制限が厳しく、面会時間が厳しく制限されていたり、会いに行っても肌を触れ合って会うことが許されず、ガラス越しのみの面会であったり、スマートフォンやタブレットなどを通してのオンライン面会になってしまうことも少なくありません。
公的老人ホームの一般的な種類は以下となります。
・特別養護老人ホーム
・介護老人保健施設(老健)
・ケアハウス(軽費老人ホーム C型)
民間老人ホームの種類
介護付き有料老人ホーム
本格的な介護や生活支援にはじまり、広範なサービスを入居者の状態に合わせて提供する施設。
タイプは介護専用型(要介護の方のみ可)、混合型(自立、要介護の方のどちらも可)の2種類に分けられますが、まれに”入居時自立”を条件とした「自立型」も存在します。
良い点
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介護士が常駐しているため、24時間体制で介護サービスが受けられる
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数が多いため、待機者が少なく希望のホームへ入りやすい
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医療・看護の態勢が整っており、持病持ちの人でも入居できる
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介護保険サービスが定額となっているため、「月々の予算が立てやすい」
考慮点
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「住宅型」の有料老人ホームよりも全体的に費用が高めである
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参入している事業者が多く、サービスの質もばらつきがある
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デイサービス等外部のサービスが利用できない
住宅型有料老人ホーム
良い点
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入居者同士の交流が活発である
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介護付有料老人ホームよりも安く入居できる
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外部の介護サービスを利用できる
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自分自身にあった介護サービスを自由に選択できる
考慮点
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重度の要介護や長期入院になった場合、住み続けることができない
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介護サービスを多く利用すると、毎月の費用が高くなる
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
介護施設ではなく、あくまで住宅として扱われる住まい。
この”サ高住”には「一般型」と「介護型」があり、一般型で介護を受ける場合は、外部事業者による居宅サービスを利用します。
介護型(特定施設)の場合は、担当の介護職員が介護サービスを提供します。
良い点
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基本的に外出制限がない
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自由度の高い生活を送れる
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自分自身に合った介護サービスを自由に選択できる
考慮点
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入居者の安全確認や生活相談を担うスタッフが常駐しているが、基本的に介護職員は配置されていない
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介護度が上がり、自立した生活が難しくなった場合、退去を迫られることがある
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住宅型有料老人ホームと同等の料金がかかる
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
認知症の方が5人から9人程度の少人数でユニットをつくり、専門職員からサポートを受けながら共同生活をする施設。
入居者ができること、できないことに応じて、洗濯や料理などの役割を担いながら暮らしているのが大きな特徴。
良い点
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認知症高齢者を対象とした施設なので、認知症ケア専門のスタッフが常駐していて適切な対処をしてくれる
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入居者が少人数で、食堂や浴室など共同スペースもあることから、他の入居者や職員とのコミュニケーションを図りやすく、アットホームな空間で生活できる
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市町村の介護保険法上の事業者指定を受けなければ開設できない為、人員や設備基準を満たした事業所が運営するので安心
考慮点
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医療・看護スタッフの配置は義務ではないため、医療ケアには特化していない
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定員が少ないこと、地域に密着していることなどにより空きがない施設も多く、入居までに時間がかかることがある
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ある程度は自立して日常生活を送れることが利用の条件であるため、要介護度が上がると、退居しなくてはならないことがある
公的老人ホームの種類
特別養護老人ホーム
要介護度の重い方が24時間介護を受けながら生活できる老人ホーム。
対象者
原則要介護3以上、原則65歳以上
良い点
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入居費用が安く、所得に応じて利用者負担の軽減制度もある
- 24時間、介護が受けられる終の棲家になり得る
考慮点
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入居待機者数が多く、地域や施設によっては数年待ちになることも
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原則として要介護度3以上、65歳以上のみ入居できる(やむを得ない事情のある要介護度1、2の方や、特定疾病に認定された40~64歳の方も入居が認められる場合がある)
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コロナ禍での面会は原則禁止や、厳しい制限がある施設が多い
介護老人保健施設(老健)
入院治療の必要がない要介護状態。
対象者
原則要介護3以上、原則65歳以上
良い点
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個々の体の状態に応じたリハビリが受けられる
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費用が安い
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入居待ち期間は数か月ほどと特別養護老人ホームに比べて入居しやすい
考慮点
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入居期間は原則3か月まで
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要介護1以上のみ入居できる。入居中に要支援 になる場合は退去となる